マレーシア紀行 その1    2008年9・10月合併号
シーナ
  【あい・あむ・じゃぱにーず】
成田を経ち中継地のコタ・キ・ナバル(右を向いた太っちょ怪獣のようなボルネオ島の、うなじのあたり…)までは7時間のフライト。フィリピン上空で食事となった。「チキン?・オア・フィッシュ?」・・・あれ?このアテンダントは確か日本人だったよなぁ・・・と思いつつ「ちきん」とアンサー。隣人いわく、日本人の青年は彼の国では中国人とよく間違われるらしい。華僑の多い彼の国では、「黄色い肌で黒い髪の青年男子=中国人青年実業家」という構図があるようだ。そうかそうか・・・と思っていると「コーヒーニシマスカ?ティーニシマスカ?」と今度はマレーシア人のアテンダント。すっかり「中国人青年実業家」のフリをしていたので「こーひー、ぷりいず」と答えてしまった。彼の国のお方には日本人だとわかったようだ。・・・あい・あむ・じゃぱにーず。
そんなわけでコタ・キ・ナバルに着。師走の日本より着込んできた衣類を急いでザックにしまった。日本の梅雨を思わせるような蒸し暑さである。目的地のクチンへ飛ぶ飛行機まで2時間待ち。ここで円をリンギットに替えておこうとなり、入国審査を通過・・・しようとするも、なぜか私だけ止められる。すでに通過していった輩達を指差して「せいむ・りーずん」とか言っていると、サトイモみたいな顔をした屈強なガードマンが出てきてしまった。この辺りの国で捕まって鞭打ち刑にあった外国人のニュースが頭をよぎってしまった。でも、あれは確かシンガポール…たしかそうだ、きっとそうだ、ゼッタイそうだ!!「ウェア・アー・ユー・フロム? アァッッ!!」「あい・あむ・じゃぱにーず」とか言っていると先に通過した外国慣れの輩が寄ってきて、サトイモ男にご説明たてまつり一件落着無事解放となった。サトイモは突如柔和な顔になり、「ソーリー、ソーリー」を繰り返したのだった。
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