大名庭園 清水園 (新潟県新発田市)                 2012年6月号
 

  江戸時代初期に新発田藩の藩主である溝口氏の下屋敷に作られた清水園に行ってきた。

 溝口氏は豊臣秀吉によって加賀の大聖寺から新発田に入封を命じられ明治維新を迎えるまで、12代に渡って新発田を統治してきた。外様大名でありながら、徳川幕府が続いた江戸時代に一度も国替えを命じられなかったのは稀有なことだそうだ。

 新発田を愛した溝口氏が丹精を込めて作り上げた清水園は、五つの茶室が配置されており豪華な中にも枯れた美しさがきわだつ名園である。現在は、国指定の重要文化財に指定されている。
 書院から見渡す庭園は、池には草木が映り、時々揺れる様子を見ていると時間が経つのも忘れるほどである。
 庭園の中では京都の金閣寺が一番好きであるが、この「越後路から東北にかけて他に比を見ない庭園」(パンフレットより)である清水園も好きで、新発田に帰省するたびに訪れている。

 清水園に行く時はちょっとした本と、カメラ、そしてCDを持っていく。庭園を見ながらブラームスの交響曲第2番を聴くのが楽しみである。この曲はブラームスの田園交響曲と呼ばれており、この庭園の雰囲気にぴったりの曲だ。
 余談ではあるが、ベートーベンのファンがいたら怒られるかもしれないが、僕はベートーベンの田園交響曲(第6番)より、ブラームスの方がはるかに名曲と思っている。



 

 
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