尾 瀬 便 り


 5月中旬、残雪の尾瀬を視察してまいりました。

 全国的に大雨の注意報がでていたためか、

今シーズン初日の尾瀬行深夜バス新宿発は、

わずか2人だけの乗客。

 現地に着くや、雨こそやんだものの、

他に人影もなく、川が大増水して

湿原の水位が上がり、

山の鼻から数百メートル先では、

橋であるべきところが水没しておりました。

雪原に川が流れ、中州のように、

橋の部分だけが取り残されている状態です。

 あきらめて引き返そうと思ったのですが、

前夜夜行バスで一緒だった年配の方が、

雪原の端まで行き、流れの中に木道が見えるので、

渡ろうと言って水に入り、ひざまで浸かりながら

対岸まで渡ったことでした。

 実にきっぱりとした決断と実行力だと、

深く感銘を受け、後に続きましたが、翌日、

別の人から話を聞いてみますと、

引き返した人もいれば、木道を踏み外して

首まで水に使った人もいたとか。



 7月上旬、至仏山から尾瀬ヶ原へのコースが

解禁になったので、再び視察へ。

すでに雪はあとかたもなく、グループが次々と

鳩待峠から出発していきます。

 この時も天気予報では雨ではないかと

思われたのですが、現地は曇り。

至仏山頂に着くと、雲間から陽がさし、

眼下に尾瀬ヶ原が望見できるまでになりました。

蛇紋岩質の滑りやすい道、ただし大部分は

木道の階段を下ってゆくと、

このコースを登ってくる人もいます!

標高差800m余りをひたすら歩いてくる人たちは

さすがに息を荒くしています。

 絶景を堪能しながら降りついた尾瀬ヶ原は、

一面ワタスゲが白を誇っています。

売店の冷えた生ビールがうまい。
  ぽぽろしんぶん TOP PAGE  へ