カサブランカの夜
                    アリババ
 モロッコを知らなくても、映画「カサブランカ」は知っているという人は多いかも。
 深夜、映画を再現したバー・カサブランカをめざして、8人連れで向かいました。旧市街に近い一角の豪華なホテル「ハイアット・リージェンシー」に入り、左手に歩いていくとつきあたりがバー。ピアノの生演奏が聞こえている一角に腰をおろし、ビール(その名もカサブランカ)を頼んで、一息。ポスターやら、映写機やらが壁を飾っていて、雰囲気があります。みんなで記念撮影。
 モロッコの旅も今日が最終日。夕食を終えると10時半ともなっていたので、今夜の外出はもうなしと思っていたところ、ご婦人がたがボディーガード代わりにとのんべえの2人組を待っていたというわけです。一度行ったことがあるとのことで、カメラマン夫妻が案内。バーでは、この恰幅のいい好々爺のカメラマンの、ケニアの自然や動物の話が興味津々。「朝起きてみると、草に長い跡がついている。聞くと、こんなに大きなヘビが夜中に這った跡だそうです。」

 日本より一回り大きい国土に、2900万人ほどの
人口のモロッコ。南東部はサハラ砂漠へとつづく乾燥地帯。マグレブ(日の沈むところ)と呼ばれる北アフリカの一国で、1956年にフランスから独立。そのため、案内はアラビア語と一緒にフランス語が併記してあり、フランス語も通じます。チップの習慣も、どうやらフランス譲りのようです。イスラム圏でありながら、「メッカから遠いので(?)、戒律はゆるやか」とはガイドさんの弁。そのため、ビールもワインもどこでも手に入りました。(酒飲みには特にうれしい)
 そのモロッコ一の大都市が、カサブランカで、車も多く欧米の都市と変わらないようです。ちなみに、カサブランカは英語にするとホワイト・ハウス(白い家)。スペイン語?。独立前は、南部はスペイン領だったそうで、ジブラルタル海峡をはさんで、向かいはスペインです。ラテン系のイスラム国なのだ。
 モロッコの街にはけばけばしい広告なども少なく、落着いた感じで、人々はつつましく暮らしている風です。(人なつこく、ユーモアのある人も多い)。空気が澄み渡っているのも印象的で、夕方など、地平線がくっきりと見え、そこに太陽が刻々と沈んでゆくのが見えました。

補足: 『米脚本家組合(WGA)は7日までに、歴代の優れた映画脚本101作品を発表し、最優秀脚本として第二次大戦下の仏領モロッコを舞台に揺れ動く男女の愛と勇気を描いた「カサブランカ」(1942年、エプスタイン兄弟/ハワード・コッチ脚本、ハンフリー・ボガート、イングリット・バーグマン主演)を選出した。』 (asahi.com 4/8)

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