コリアレールパス10日間 A釜山(プサン)    2008年8月号
H.I.
 (2006年)4月28日、11時15分、高速フェリーで博多を出た。船は外に出られない構造のため、のんびりデッキで風にあたりながらとはいかない。夫が韓国出身という赤ん坊連れの女性がSさんの隣席。3時間後、もう釜山が見えてきた。
 出発前、2週間ほど、ハングルの勉強をして、地名くらいは読めるようする。アルファベットと同じ構造である。鉄道時刻表も事前に手に入れ、旅程を検討する。レールパス10日間で、2万円弱。ただし、特席(グリーン席相当か)と新幹線KTXは割引扱いで、別料金が発生する。それでも、格安だ。
 釜山3泊→麗水(ヨス)1泊→木浦(モッポ)2泊→ソウル4泊とし、鉄道で移動し、足を伸ばすこととした。

 釜山港ターミナルを出て、さて、ホテルまでは地下鉄で行くこととする。自動販売機で切符を買うまでは良かったが、改札口のバーをうまく通れなくなってしまった。通りかかりの人が、助け舟を出してくれ、駅事務所まで案内してくれて、切符を再発行してもらい、通り方も教えてもらった。
 繁華街ソミョン(西面)の2駅手前、凡一洞で下車。地図を広げて、ホテルを探していると、「どちらまでですか」と日本語で話しかけられた。ガイドブックのカナどおり「ククジェホテル」(国際ホテル)と言ったがどうも通じない。地図をみて、「ああ、クッジェ」。やはり、発音がちがうのだろう。このやや細身の男性、案内しましょうと言う。時々、道端の露店の人に場所を聞いて歩く。「大東亜戦争の頃、日本にいて、名古屋で空襲にあいました」と話す。自分の若い日を懐かしむような話しぶりだった。
 この後も、ほかの街でも、話しかけられたり、親切に教えてもらうことはたびたびだった。地下鉄では、同行のSさんを見ると、若者がさっと立って、席を勧めた。街中の案内板は、ハングルのほかに、漢字と英語が併記されている。釜山では、店の案内に、時々日本語もあった。旅人にも居心地が良い。話していなくても日本人とわかってしまうのは不思議だったが。

 17時、釜山駅で、コリアレールパスを受取り、数日分の席の予約をする。日本に似て、かなりローカル線は廃止になっているそうだ。そのため、移動の連絡が不便な線もある。
 翌29日に景勝地、慶州にでかけた。(これは次号で)
 戻ってきての夕食に、刺身の定食を頼んだら、小皿が沢山出てくるので、最初は注文を間違えたと思ったほどだった。韓国では小皿のサービスが売りで、どれだけ出てくるかが評判となるそうである。

30日は釜山市内をぶらぶらする。午前中、プサンタワーまで行った後、地下鉄2号線で東の終点まで行って見る。郊外の衛星都市といった趣き。次に2号線で、釜山大学で下車。駅からの通りは若者でにぎわっていた。帰りはソミョン(西面)で降り、屋台の通りを歩いてホテルまで来た。夕食はチゲにする。メニューではよくわからないので、店の表に出て、料理の写真を指してビールとともに注文した。釜山の3日が過ぎた。


 釜山港が見えてきた


 釜山駅前


 西面(ソミョン)近く


 食事を頼むと、まず小皿の山が
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