マレーシア紀行 その2    2008年11月号
シーナ
【イスラム】
「んおーー、んうぃー、あー、んうぉーーー」
ナンダ?? と目覚め時計をみると朝4時半。なんだまだまだ早い・・・と寝つこうとするが再び「んあーー、おー」。
ナンダナンダよぉ・・・とカーテンを開けると、マレーシア国旗が眼にとまる。左上には三日月と星のマーク。三日月・・・そう、この国はイスラム国家なのだ。で、その「んおー」は聖典コーランなのであった。サッカーの日本代表が中東で試合をすると、スタンドの白装束ひげもじゃおじさんたちが唱えているアレ。というわけで、完全なアウェー状態で完全に覚醒してしまった私。こうなったら、なんとしてもモスクに足を踏み入れるぞと決意したのだった。
一応前もってガイドブックでリサーチ。お祈りの時間は避けること、そして肌を見せてはいけないのでクソ暑くても長袖で・・・とのこと。Tシャツの上にシャツを羽織り、ボタンを締め、私の企画にノッてきた者総勢3名でいざ出陣。ホテルより炎天下を約15分、マンゴーの香り漂う市場を抜け、モスクの前にやってきた。
腕まくりの袖をおろし、ボタンを留めいよいよ中へ。と、裸足であがるようにと書いてある。埃っぽい絨毯に足を踏み入れると、がら〜んとした大きな空間がひとつだけ。キリスの間の正面に仏像や釈迦像があったりするが、ここは偶像崇拝のイスラム教なにもない、前後左右もとくになし、といった感じ。隅の方では中年の男性が昼寝をし、その奥には母親と祖母とおぼしき2人女性のまわりを小さな子どもがぐるぐる走っていた。日本の山間部の集会所のような雰囲気だった。そこで座ってみたり、ドームの天井を眺めて意味もなく「ふ〜ん」とかなんとか言ってみて退散した。
靴をはいているとブルカで顔を厳重に覆った少女たちがゾロゾロ。「おぉ、イスラムっぽい」と思いきや、門の前で整列した彼女たちはヘソ出しで短パン。そしたらなんと、「メリークリスマス!!」と叫んで、チキンを売り始めたのだった。自由の国(??)マレーシア、おそるべし。






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