酒とバラとドラキュラの日々  Aシルビア姉さん    2011年1月号
H.I.
 ブルガリア3日、ルーマニア3日をバスで駆け抜ける。バスは定員40名以上なので、座席はゆったりである。全日快晴。女性陣は外に出ると日傘をさし、日焼け防止に肘カバーをつけたりしてる。現地の人はそんないでたちではないので、グループから迷うことはない。
 今夏はヨーロッパも暑いとのこと。添乗員さんからは、ホテルにエアコンがない場合が多いので(あっても効かない)、部屋に入って暑いようなら、風を入れるようにとのこと。日差しは強いが、湿度は低い。木陰に入ればしのぎやすい。
 ブルガリアでのガイドさんはシルビアさん。大学で教えていたとかで、日本語で案内していただく。大柄な体に似合わず、早足なので、油断してると遅れてしまう。坂道など、ハアハアと息を切らせて歩くので、こちらのほうが心配になってくるのだが、運動しないと体によくないからね(糖尿病もあるし)、などと言いながら誰よりも早い。娘さんは、カナダのほうに住み、孫からの電話が楽しみなおばあちゃんでもある。娘さん、パイロットだとか。国連事務総長を乗せて世界を飛んだりしてるんだそうです。
 社会主義体制崩壊で、ブルガリアも経済が相当落ち込み、亡命者(国外出稼ぎ)が100万人にのぼるとか。人口700万人余りの国でです! 「工場の労働者が、医者とか大学の先生の5倍の給料をもらっていたのはおかしいけれど、昔はみんな退職したあとは年金で暮すのを楽しみにしていた。今は年金では暮せない」。社会主義といっても、ロシアとはずいぶん違っていて緩やかだったようです。
 隣でも、北のルーマニアはラテン系。気質も文化もかなり違っているそうで、「ブルガリアでは、お金を貯めると自分の家を建てる。ルーマニアでは車を買う」のだそうです。
 シルビアさん、街を歩いていると、道ばたに椅子を出して腰掛けている老婆たちに声をかけている。「知り合いなんですか?」「知らない人にも、こうして挨拶するんですよ。この家の玄関に男の人の写真が貼ってあります。未亡人なんです。お元気ですかって、話しました」 小さな国ブルガリア、助け合い、気遣いあって生きていくお国柄のようだ。
 ところで、2日目、私の方をしげしげと見ながら、シルビアさんが添乗員さんに言うには、自分の弟にそっくりだというのです。特に、横顔のヒゲの具合などが。おみやげ店でも、知人に「ほら、弟にそっくりでしょう」などと話している。まさか、ブルガリアで「お姉さん」に会うとは!
 しかし、私に似ているようでは弟さん、あまり出来がよくないでしょうね。もっとも、出来が悪いほど可愛いと言いますが・・・


 アレクサンドル・ネフスキー寺院(ソフィア)


 ガイドのシルビア「姉さん」と
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