酒とバラとドラキュラの日々  Cバラはブルガリアの金    2011年3月号
H.I.
 ブルガリアはバラの国。3〜400年前に中東から小型バラがもたらされ、バラは「ブルガリアの金」と言われるようになりました。バラの主要産国は、他にトルコとモロッコですが、ブルガリアが最も品質が良いとの事。外国に支払う金が足りなくなった時、バラで、と言うと喜んでOKだったそうです。香水はじめ化粧品用途が多いのですが、バラ油は便秘薬ともなるとのこと。
 ブルガリアを南北に分けるバルカン山脈の南ふもとにあるカザンラク。初夏のバラ祭りには、大勢の日本人も訪れるそうです。そこの、バラ博物館を見学。こじんまりした建物で、中にバラ産業の歴史が写真と器具で展示されている。歴代のバラ祭りの女王の写真も飾られている。シルビアさん曰く「顔やスタイルだけでなく、知性・教養もすぐれていないと女王にはなれません」
 地下の小さなおみやげコーナー。ひととおりクリーム、石鹸などの説明が終わると、買い物タイム。女性陣が列をなし、それぞれ10個20個の単位でまとめ買い。列に並び直して、再度、三度と買い物の人も。レジ袋を両手に抱えきれないほどである。ようやく列もなくなった頃、添乗員さんがクリームをと求めると、売り切れ! 女性の、美と買い物にかける執念恐るべし。
 何千年も昔からの、カザンラクから山越えしてルーマニアへと続く道を行き、旧都ヴェリコ・タルノヴォに。ツァラベツの丘、旧市街、谷筋の川を眼下に眺めながら、城壁の道を歩く。夕陽に映えて、城跡が浮き上がる。旧市街、レストランへと歩く。有数の観光地とのことだが、暴走族をパトカーがサイレンを鳴らして追いかけたりしてる。道を渡る際、なかなか車が止まってくれないので、シルビアさんが、道の真ん中に立ち、車をにらみつけて足をドンと踏み鳴らす。全車止まって、道路を横断できた。
 ブルガリア最後の晩餐。現地通貨を使いきろうと酒など頼んでいたら、金が足りなくなった。いい訳しつつ、まわりの人たちに小銭を分けてもらう。神妙に食事していたはずが、吹き出されてしまった。(失礼な!)
 ホテル。最後の夜ということで、ガイドのシルビアさんも一緒にロビーで飲む。お元気でお姉さん。涙の別れとなった。



 ツァラベツの丘、城跡(ヴェリコ・タルノヴォ)


 


 夏休み(道中のレストランから)
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