音楽散歩 第2楽章 『上を向いて歩こう』 2011年4月号 | ||
作詞 : 永 六輔 作曲 : 中村 八大 | ||
竹太郎 | ||
このたび東北地方で発生した大地震と津波に被災された方々には、心からお見舞い申し上げます。
私は地震発生のとき東京港区の客先で仕事をしていました。ビルの5階でしたが、相当大きく揺れて、机の書類などが一部落下したりしました。遠方の方は帰宅してもよいとのことで、4時に帰宅の途につきました。しかし地下鉄は止まっているので、とりあえず東京駅を目指して歩きました。歩道は帰宅する人であふれ、ガラスが散乱しているところもあり、時折、消防車や救急車のサイレンも聞こえました。
東京駅でもJRは運転再開のメドがなく、地下街でそばを食べてから東武浅草駅をめざすことにしました。8時頃浅草駅に着きましたが、駅のシャッターが閉められていて、今夜の運転再開がないことを知りました。電話が家族にやっと繋がり、どこかに泊まることにしましたが、ホテルはどこも満杯で、仕方なく北千住に向けて歩くことにしました。コンビニはパンやおにぎりなどはすっかり売切れていて、残っていたお菓子を買いました。道すがらボランティアの方が地図のコピーを配ってくださり助かりました。
10時頃に北千住に着きましたが、風が強まり体が冷えてきたので、駅近くの銭湯に入り体の疲れを癒しました。北千住駅周辺はバスやタクシーを待つ人でごったがえし、地下街で一夜を過ごすしかないのかなと思いつつも、多くの人が国道4号に向けて歩いているので、つられて私も歩くことにしました。歩きながらふと思いついて、放送大学のある荒川手前の「学びピア21」に行ってみると、運良くちょうど帰宅難民の受け入れを始めたところでした。4階の大会議室に案内され、毛布、カーペット、飲料水、ビスケットをいただきました。ほんとうに助かりました。 翌朝、携帯電話を充電させていただき、出発しました。かつて芭蕉も東北をめざし千住を旅立ちましたが、道々、多くの人の助けがあったからこそ、半年の旅が出来、「奥の細道」が出来たのだと思います。電車が動き始めたのは午前10時で、館林の家に帰宅したのはお昼でした。
この日以降、我が家も暖房やTV、照明を極力節約するようになり、またラジオをよく聴くようになりました。ある日、被災者を励ますように「上を向いて歩こう」が流されました。それ以来、この曲が頭から離れません。半世紀も昔のヒット曲ですが、辛いこと悲しいことに負けず、生き抜く元気をこの曲は与えてくれます。 みなさん、がんばりましょう。 |
![]() 中学2年の娘が学校で作った「エコキューブラジオ」。手回し発電機、太陽電池、携帯電話充電器、懐中電灯なども付いた優れもので、停電のときなどとても役立っています。 |
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