私の住む館林の夏は暑い。毎年、埼玉県の熊谷と全国一の暑さを競っている。おまけに今年は節電でクーラーの使用を控えているのでなお更辛い。そんな暑さの中、当地の夏の風物詩になった手筒花火大会が7月23日に開かれました。
夜7時半、花火の連発で開幕。市役所横の広場に屋台も出て大勢の見物客が見守る中、花火師の持つ手筒から高さ10メートルにもなる火柱が吹き出し歓声が湧き上がります。
16世紀に日本に鉄砲が伝わりましたが、戦国時代が終わり太平の世になると、火薬の平和利用として手筒花火が徳川家のお膝元の三河(愛知)や遠州(静岡)で盛んになりました。館林で行われるのは徳川四天王の一人・榊原康政がこの地を治めていたことに由来するそうです。
この広場の端に『縄文邑』という縄文時代のムラを再現した場所があります。この時代の気温が高かったため海が広がり館林近辺でも貝塚がいくつか見つかっています。この広場でも縄文人が火を囲んで踊り歌っていたのかも知れません。
ロシアの作曲家ストラヴィンスキーの3つのバレエ音楽『火の鳥』『ペトルーシュカ』『春の祭典』はそうした原始の幻影を調性や形式にこだわらない原色の音で表現しています。お祭りの太鼓や踊りとも一脈通じるようです。これらの音楽を聴きながらビールでも飲んで夏バテを吹き飛ばしたいですね。

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