インドネシア 修行の旅        Bボロブドゥール         2011年9月号
H.T
 インドネシアも火山と地震・津波の国。現地ガイドさんに、お見舞いの言葉をかけられた。
 バリガイドさんは、ヒンズー教徒。ジャワ担当はイスラム信者、「ちょっと失礼」と、短時間席をはずし、お祈りをしていた。
 ムスリムのガイドさんが、仏教遺跡ボロブドゥールを案内する。病老死苦、凡百の煩悩は尽きない。
 天国に行けるという階段を登る。風雨にさらされた壁画が続く。そこかしこに仏陀の像が鎮座している。ボロブドゥールに登る者たちは、帰依の礼に腰に布を巻く。なだらかな、ゆるやかな、温和な遺跡の最上段に、一段と目立つ塔が見える。その塔のあるフロアが天国のメタファーだ。
 最後のフロアへの階段は閉鎖されている。
 誰も天国へは行けない。修復工事中なのだ。
 (像たちは大笑いをする)
 下界では、土産の売り子たちが声をからす。「センエン、センエン!ヤスイヨ!」




 ボロブドゥール遺跡(ジャワ島)

    
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