スリランカ紀行-C    はだし(または靴下)で寺院を巡る−アヌラーダプラ 2012年7月号
H.T
 「スリランカはインドではありません」西郷隆盛のような風貌の、ガイドのガンガさんが力説する。同じカレー料理でも、インドのように単調でなく、いろんなハーブを加え、バラエティに富んでいるのです!
 確かに日本でのカレーとは違い、魚・野菜・肉の料理をさまざまなハーブ(香辛料・薬草)で味付けしたものだ。大辛からまあ辛いか位まであるが、暑い国では、食して発汗を促す効果があるのだろう。
 バスの窓に通り過ぎてゆく風景が映る。どこでも走っている小さな三輪自動車、農村のたたずまい、いたるこころにある雑貨店、道行く人の服装や生活の様子・・・「やっぱりインドだ」、ガイドさんには聞こえないように師匠はつぶやく。
 10億人以上のインド、少し海を隔てただけの2000万人の島国スリランカ。圧倒的な存在感を感じてるからこそ、自分たちの独自性を保とうとしているのかも。中国に対する、ベトナム・韓国などと似た立場か。飲み込まれず、しかしうまく付き合っていかなければならない。大半が仏教徒のスリランカの人は、一生に一度はインドの仏教聖地に巡礼に行くのを楽しみにしているそうである。海外への出稼ぎも比重が大きく、日本・イタリアは人気あるがビザ取得が難しく、儲けても現地で金も使い、あまり残らないとか。一方、アラビアやオマーンに行けば、砂漠しかなく、酒も飲めないので金がたまるそうです。

 さて、話は前後して、ライオン岩の前日に訪ねたのが、北部の古都アヌラーダプラ。(中部から北部にかけてはかつて王都だった由緒ある地が集まり、「文化三角地帯」とも呼ばれるそうです。日本で言えば京都・奈良?)
 市内に入ると、おわんを伏せたような大きな仏塔が見えてくる。広大な遺跡公園になっている中に、青い空を背景に白く偉容を誇るのがルワンウェリ・サーヤの仏塔。高さ50m。外を囲む門はたくさんの石の象が守護神のごとく並んでいる。寺院の境内では靴を脱がねばならない。現地の人ははだしだが、石畳の地面は熱いので、我々は靴下で勘弁してもらい拝観する。






 ルワンウェリ・サーヤ大塔と仏堂壁画
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