この夏故郷に帰省の折に従兄がデジカメで撮った写真をSDメモリカードでもらった。
沢山あるので印刷も大変だなと思っていたとき、任天堂のWiiのコントローラに挿入口を見つけ試しに差し込んでみたところ、テレビでBGM付きのスライドショーで見ることができた。
そこで流れていた甘美なメロディーはフォーレ(1845年-1924年)の「ドリーの子守歌」であった。ピアノ連弾のための6曲からなる組曲の第1曲にあたる。 曲の由来を調べてみると、声楽家エンマ・バルダック(1862年-1934年)が若くして銀行家と結婚してもうけた二人の子の下の娘エレーヌのためにフォーレが作曲した曲ということであった。ドリーはエレーヌの愛称である。
のちにフォーレがエンマに求婚したことから、ドリーはフォーレの実の子ではないかといううわさまである。ちなみにエンマは後にドビュッシー(1862年-1918年)と不倫の恋の末に再婚した。
洗練されたフランス音楽はサロンと呼ばれる上流階級の社交の場から生まれたが、フォーレは歌曲や室内楽曲といったサロン向けの音楽を主に作曲した。少し後に続くドビュッシーやラヴェルなどの印象主義音楽への橋渡しとなった作曲家だと言われている。
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