「末廣亭日記」十四   新春の巻                    2013年1月号
H・I
 

 正月二の席(中旬)。落語協会の担当である。夜の部に出かけてみると、なんと二階席まで満席で、立ち見である。小三治師匠が夜の主任(トリ)でもあるので、大入り満員である。しばらくは最後尾席のうしろで立って聞く。ちょうど喬太郎師匠の出番となる。新作落語で笑わせる。中学校の保健室に駆け込んで来た、授業をさぼって時間つぶしと決め込むタメ口の生徒・・・と思ったら、校長先生。オヤジ風を吹かせる年輩の先生が来室、と思えば生徒である! 女子生徒とかけ回る若い保健室の先生・・・は還暦。
 雲助師匠。用を足すことを「カンジョウする」と言う田舎の二人組。半月ほど江戸の宿に泊ることに。用を足すべく番頭さんに「カンジョウしたい」というと、そろばんを持ってきて・・・

 正月らしく、中入り後は獅子舞(寿獅子)。太鼓・笛の囃子に合わせて、二人組での獅子が舞台で舞う。背伸びし、毛づくろいし、耳だけ動かし居眠りし、最後に巻物を咥えて、パッと広げる。「本年もよろしく 新宿末廣亭」。
 途中退席する人がいた。すかさず、空いた桟敷席に座を占めて、残りを楽しむ体制をとる。
 一朝(いっちょう)師匠、「本年も、いっちょう懸命やります」。たいこもちが若旦那のハリの実験台に。
 紙きりの正楽師匠。「たこ揚げ」のリクエストに、富士山をバックに空に舞うタコを切る。
 小三治師匠の登場。お茶を片手にマクラの話から、泥棒が逆にだまされて金を取られる噺を9時過ぎまで熱演。


 新宿三丁目 にぎわう夜の末広通り


 春風亭一朝 朝日新聞HP
「第40回人形町らくだ亭」


 柳家喬太郎
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