アドリア海修行の旅 Bスロベニアと首都リュブリャナ 2007年11月号 | ||
H.I. | ||
ベネチアからはバスで移動。バスの運転手はスロベニア国籍、ツアーガイドはクロアチア国籍、妙齢のターニャさん。その夜は一時ユーゴ領となっていたこともある静かな落着いた港町、トリエステに宿泊。トリエステまでは、車窓からのどかな田園風景が続いていた。 翌日、旧ユーゴ北西部、イタリア・オーストリアと国境を接するところにあるスロベニアに入る。四国ほどの面積、人口200万の小国だが、旧ユーゴの中ではもっとも豊かで、EUにも加盟し、来年はその議長国となる。通貨もユーロ。すっかりヨーロッパに溶け込んでいる様子。北の山岳地帯の名勝、各地の鍾乳洞と、観光地も数多いようである。 ところで、アドリア海というのは、イタリア東岸とバルカン半島西岸にとの間に横たわっていて、古くは「ベネチアの海」とも称されたらしい。15・6世紀海洋都市国家ベネチアは、このアドリア海沿いの地帯、スロベニア・クロアチアの海岸地帯を領地としていて、トルコとの海運貿易で財をなしていたとのこと。そして、ベネチア領の最南端の先に、現在のドゥブロブニク、旧名ラグーザが、海洋貿易の中継地としての地の利を得て、独立した都市国家としてベネチアとトルコの間にあって栄えていたということのようだ。 クロアチアは馬蹄形で、ボスニア・ヘルツェゴビナを包みこんでいるかのような不思議な形をしている。これはどうやら、それぞれベネチア領とオスマントルコ領であったことに由来しているようだ。今もクロアチアはローマカソリック、ボスニアはイスラムが主流だ。 さらに、ものの本にもよれば、宮崎アニメの舞台となっているのが、実はアドリア海の街ではないかとの説がある。「紅の豚」はずばりアドリア海、主人公の名はマルコ。「魔女の宅急便」の街はドゥブロブニクかどこかの街並みがモデルだとも。 さて、バスはブレッド湖に着く。青い湖の絶壁に建つ城では、ちょうど結婚式の最中。着飾った人たちが楽しそうに飲み集っていた。湖の中の小さな島を手漕ぎの船に乗り訪問。そこにも教会があって、やはり結婚式。式を挙げた二人が見送られながら、湖岸の船まで、階段をおりてゆく。岸辺では、水着姿で二人を見上げていたりする。湖では何人もが泳いでいるのだ。湖岸には故チトー大統領の別荘だったという建物も。晴れていて、カフェもあったので、師匠とビールを飲む。 そして、首都リュブリャナへ。ここも整った美しい街だ。中心部の橋の通りでは、古物を集めた「蚤の市」が立ち、にぎわっていた。通りの一角にマーラーの胸像。かつて、何年かここのアパートに住んでいたそうだ。 |
![]() リュブリャナ旧市街 ![]() 蚤の市 ![]() マーラーも住んだことがある |
|
続き | ||
ぽぽろしんぶんTOP ⇒ |