心の中の南アフリカ B 滝で 2006年12月号
H.I.
 今回のツアーは総勢30名ほどで、キャセイパシフィックで関空から香港経由となった。7AM、まずはヨハネスブルクに着く。8℃。南半球なので、冬ということになる。乗り換えてブリテッシュ・エアウェイズ(BA)でジンバブエへ。南アをはじめ、周辺国の旧宗主国はイギリス。航空会社も英国系が幅をきかせてるのか。
 ビクトリア滝を目当てに参加した人も多い。13時、ローカルなビクトリアフォールズ空港に着く。2日後に南アに戻るときには、この便が4時間も遅れて、空港でずっと待つはめになった。乗客は、サンセットクルーズにも間に合わなかったに違いない。我々は16時から、ザンベジ川の夕日のクルーズへ。滝の上流数キロのところを回る。川べりに象が見える。草を食べている。テーブルとイスを並べてあるデッキで、すぐ後ろに飲み物が用意してある席を取り、ビールを飲む。風が心地よい。
 旧ローデシアのジンバブエは、大統領選挙などを巡って緊張関係も続いているようだが、ここはザンビア・ボツワナ・ナミビアが接する辺りにあり、観光地として別天地の趣き。見る夕日はきれいだったが、ここで一生暮すとなると、みやげ物を売るか、魚を捕るか、作物を作るか、その収入では、外国に行くなどできないだろうなどと、はたと考えてしまう。貧乏症なのである。
 ホテルでの19時からの夕食は、バイキング。淡白なワニの肉も食してみる。
 テーブルを囲んだ数人で、ホテルの屋上にでかける。明りを消すと、夜空に星が浮かび上がってくる。目が慣れてくると、頭上に天の川がひろがっている。月もなく、まさに降るような星だが、星座は見慣れない。星の話をしながら天の川を見上げていると、さあーっと流れ星がよこぎった。
 添乗員さんに、南十字星を教えてもらう。天の川の南に、四つの星が、横になった十字となっている。さらに、頭上にはさそり座。尾のあたりがいかにもそれらしい。

 翌日、隣国ボツワナへ。チョベ国立公園のサファリツアー、チョベ川のボートツアーである。ボツワナに入ると、舗装道路がきれいになった。日本の1.5倍の面積に人口200万。ダイヤモンドの産出で、周辺国より相対的に豊かだそうだ。ナミビアに行くというバスを見かけた。廃車かと思うような車で、屋根には荷物が満載だった。待っている人の身なりは貧しそうだ。ナミビアは日本の2倍の国土に200万人。一人あたりの国民総所得(GNI)はボツワナの半分2400ドルほど。ジンバブエはほぼ日本と同じ面積で1300万人。GNIは470ドルとボツワナの10分の1ほどだ。南アは日本の3倍の面積、人口は5000万ほど。GNIは3600ドル(中国の約3倍)とボツワナよりやや低いが、アフリカ随一の経済大国である。
 チョベ国立公園では、キリン、ワニ、ゾウをはじめ、インパラなど鹿の仲間たちを楽しむ。カバなどは、川の沼になった中に数十頭がかたまって背中だけ出していて、時々大あくびをしていた。その夜は、ホテルから少しはなれたレストランで、屋外でバイキングのディナーショーへ。参加者に太鼓が渡され、ドラミング。いくつかのパターンを教わってから打ってみるが、揃ったりはしない。しかし、陽気なコンダクターの「レッツゴー!」の声に合わせてやってみると、これがなかなか快感。

 3日目、ビクトリアの滝へ。ザンベジ川が大地の裂け目へと音をたてて流れ落ちてゆく。滝の向かい岸側がハイキングコースとなっている。柵などないから、絶壁からこわごわ下を見る。吸い込まれそうだ。下流では、欧米客だろう、がけを徒歩で降りて、ゴムボートで下って行くのが双眼鏡から見おろせた。

チョべ国立公園ーボツワナ


ビクトリアの滝ージンバブエ


ザンベジ川クルーズ船の飲み物(ザンベジビールも)
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